親子のためのガイド

ハロウィンの絵本がこわい子。読む前に確認したい場面と声かけ

園や図書館で勧められたハロウィンの絵本。楽しそうな表紙なのに、子どもは怪物の絵を見て「こわい」と言う。行事の本だから読んでおきたい気持ちと、本人の様子の間で迷うことがあります。

こだま絵本編集部 · 公開

怖がっているなら、最後まで読む必要はありません。保護者が実際の絵・展開・音声・結末を下見し、本人が見たいかを確かめて選びます。別の穏やかな本へ替える、気になる場面を先に知る、今日は読まない、という選択を残しましょう。

丸いかぼちゃと夕暮れの森の絵を見比べ、子どもがかぼちゃの絵を指す親子
今日はどちらを見たいか、穏やかな場面から選べます。

「ハロウィンの本」より、実際の一冊を見る

同じ季節の題材でも、かぼちゃを並べる話と、暗い森で追いかけられる話では内容が違います。年齢の目安や「かわいいおばけ」という紹介だけで決めず、保護者が全体を開いて確認しましょう。動画や音声付きなら、絵だけでなく実際の音も聞きます。

The Crayon-Munching Monster · 英語版・22秒 — 子どもに見せる前に、絵と音の雰囲気を確認するための例。
  • 絵の表情:大きな口や目、近づいてくる人物など、本人が気にしそうな描写はあるか。
  • 場面の変化:暗闇、追跡、迷子、離ればなれになる展開はあるか。
  • 音の強さ:突然の効果音、声の変化などがあるか。紙の本と同じ印象とは限らない。
  • 結末:何が起こるか、解決がどう描かれるか。本人が先に知りたいときに説明できるか。

これは怖さを点数化する表ではありません。親には平気な絵でも、子どもが苦手なことがあります。逆に、怖そうに見える人物を本人が好む場合もあるでしょう。家庭で知っている反応と、実際の作品を合わせて考えます。

読む前に、見たいところを確かめる

保護者の下見のあと、表紙や穏やかな一場面を見せ、「この話を見る? 今日は別の本にする?」と聞けます。見せること自体を嫌がる場合は、そこで止めて構いません。参加するために怖い絵を見せ続ける必要はありません。

気になるけれど迷っているなら、「暗い森に入る場面があるよ。先に最後を知りたい?」と、本人が知りたいかを確かめる方法があります。結末を知ると必ず怖くなくなるわけではなく、知ったあとで読まないと決めることもできます。

避けたいのは、「こんなの怖くないよ」「もう大きいのに」と、感じ方を否定する返事です。「その顔が怖かったんだね」と、本人が伝えた部分を受け取ります。何が怖いかを詳しく説明できなくても、読まない判断はできます。

途中で替える合図を、先に決める

読み始めるなら、「止めたくなったら手を上げる」「本を閉じたいと言う」など、家庭でわかる合図を一つ決められます。言葉が出にくいときでも伝えられる方法を選び、合図があったら実際に止めます。

顔をそむける、耳をふさぐ、本を押し戻すなどの様子も見ます。先に決めた言葉を使わなかったからと続けず、「ここで止めようか」と確認できます。続きを読むために理由を言わせる必要はありません。

止めたあとは、よく知っている穏やかな本、絵を描く遊び、別の過ごし方へ替えられます。「次は少し長く頑張ろう」と段階的な練習の約束を作らず、その日の選択として終えます。絵本時間を怖さの克服訓練にする必要はありません。

園や図書館には、苦手な場面を伝える

季節の本を勧めてくれた人にも、「ハロウィンが苦手」だけでなく、「大きな顔が近づく絵」「追いかけられる話」「突然の大きな音」など、わかっている範囲で具体的に伝えます。かぼちゃや秋の景色など、別の切り口で探せる場合があります。

園でみんなと見る予定なら、事前に作品や読み方を尋ね、困ったときの対応を相談できます。家庭で読んで慣らすことを当然の準備にせず、「見たくないと言った場合はどうできますか」と、実際の場面の選択肢を確かめましょう。園の活動や対応は、それぞれの方針によります。

東京都立図書館の家庭読書Q&Aにも、昔話の残酷な場面をどう考えるかという問いがあります。物語の役割を説明する資料ですが、ハロウィンの全作品や、すべての子の反応を保証するものではありません。行事の名前や一般的な説明だけで、本人に合うと決めないようにします。

季節を楽しむ方法は、一冊を読む以外にも

怖い場面のある本を読まなくても、秋の色を探す、丸いかぼちゃを自分の絵にする、好きな動物の物語を選ぶなどの過ごし方があります。「行事の絵本を読めたか」を、参加できたかの判定にしなくて大丈夫です。

親がその本を好きな場合も、「私はこの場面が好きだけど、今日はあなたが見たい本を選ぼう」と分けられます。きょうだいの好みが違えば、全員で同じ一冊を聞く予定を変える方法もあります。怖がる子だけに我慢を求めないようにします。

一回の反応だけで、怖がりな性格や問題があると決める必要はありません。一方、強い怖さや眠りに関する困りごとが続き、生活にも影響しているなら、絵本で慣らすことだけで解決しようとせず、かかりつけ医や地域の相談窓口へ相談してください。窓口を探すときは、厚生労働省の相談先の案内も参考になります。

アプリの物語も、親が先に確かめる

こだま絵本を選ぶ場合も、Webサイトの実際の物語動画サンプルなどで、保護者が内容の雰囲気を先に見られます。ハロウィン専用の物語がある、怖さを治す機能がある、という意味ではありません。

日本語の物語を一緒に選び、聞くだけで楽しむこともできます。選んだあとも、本人が見たくなくなれば別の活動へ替えられます。「季節に合う」ことより、今日の親子が共有したいお話かどうかを最後の判断にしましょう。