親子のためのガイド

英語の絵本にカタカナのふりがなは必要?音声との使い分け

英語の絵本を読む準備で、英文の上にカタカナを書こうか迷うことがあります。助けになる場面はありますが、カタカナの読み方だけを、英語の音そのものとして扱わないことが大切です。

こだま絵本編集部 · 公開

ふりがなは必須ではありません。カタカナは親の一時的なメモには使えても、英語の音を正確に表しきれません。気になる語を音声で確認し、絵や物語へ戻る使い方を試せます。

こだま絵本の実際の英語の物語ページ。英文と朗読のボタンが表示されている
アプリでは、絵と元の英文を見ながら朗読を聞けます。

カタカナだけでは、英語の音を表しきれない

英文の上にカタカナを書けば、親が最初の一言を読み始める助けにはなります。ただし、日本語の文字に置き換えた読み方だけで、英語の音をすべて表せるわけではありません。特に、文字では同じ読み方に見えても、英語では違う音のことがあります。

文部科学省の教員研修ガイドブックでは、hat と hut はどちらもカタカナでは「ハット」になる一方、英語では母音が違う例を示しています。また、カタカナ語と英語では音や強く読む位置に注意が必要だとしています。これは学校の指導者向けの説明で、家庭でカタカナを一切使ってはいけないという規則ではありません。

絵本を楽しむときは、カタカナのメモを何のために使うかを考えます。親の読み始めを助けるメモと、子どもに覚えてもらう読み方は、分けて扱えます。

親の手元のメモにとどめる方法

自信のない単語が一つあるなら、親の手帳や付箋に短く書く使い方があります。本文すべてにカタカナを足す前に、その一語だけで足りるかを試してみましょう。子どもが見るページを読み方の印でいっぱいにせず、絵を眺める場所を残せます。

メモを作る際は、推測したカタカナを正解として固定しないようにします。音声を聞いても自分には書き分けられない音なら、「音声で確認」とだけ書いておく方法もあります。英文の意味を忘れないための日本語メモなら、発音のメモとは別の場所にしておくと役割がはっきりします。

子どもがカタカナを読める場合も、「このカタカナのとおりに言って」と練習させる必要はありません。メモを見て言った音と、音声で聞いた音が違うと感じたら、「字で書くと同じに見えるけれど、音はちょっと違うね」と一緒に聞く入口にできます。

音声を使うときの、小さな三段階

  1. 親が気になった短い表現を、絵本の付属音声や辞書の音声などで一度確かめる。音声がどの単語のものかも確認する。
  2. 絵本へ戻り、人物や動物が何をしている場面かを見る。音の練習だけでその場面を埋めない。
  3. 子どもが言いたそうなら一語だけ一緒に言う。聞く、指す、次の絵を見るという参加でもよい。

たとえば、架空の話で犬が走る絵と dog という語が出てきたら、dog の音を確かめてから犬の絵に戻れます。単語を覚えたかと問うために絵を隠す必要はありません。「この犬、どこへ行くんだろう」と話を続ければ、音の確認を物語の中に戻せます。

同じ箇所を何度も聞く場合も、回数を先に決めるより、「もう一回聞きたい?」と確かめましょう。音声を流した分だけ、子どもにも同じ回数の発音を求める決まりにしない方が使いやすくなります。

すでに書いてあるカタカナは、急いで消さなくていい

今ある本にふりがなが付いていたり、以前に親が書き込んだりしていても、全部を消すところから始める必要はありません。その表記が音の確認を助けているか、カタカナを読むことばかりに時間がかかっていないかを見て、必要な箇所だけ扱えます。

  • 親の読む準備に使えている:手元の補助として使い、分からない音は別に確認する。
  • 子どもがカタカナだけを追っている:書き込みの少ない場面や、絵と音声を楽しむ回を一度選んでみる。
  • 文字の補助がないと取り組みにくい:どの支えが必要なのか、学校や教室の先生と相談して決める。

学校の課題で使っている補助を、家庭の判断だけで取り上げる必要はありません。先生から使い方の指示がある場合は、絵本の遊びと課題の方法を分けて確認しましょう。「カタカナなしでできる方が偉い」という比較もしないでください。

読み聞かせと、文字を読む学習を分ける

音声を聞いて物語を楽しむことと、初めて見る英文を自分で読むことは、同じ課題ではありません。英語の音と綴りを扱う指導研究では、段階を追った明示的な指導が検討されています。カタカナを減らして音声を聞くだけで、その指導を代わりに行えるという意味ではありません。

今日は話を楽しみたいなら、親が確かめた音を添えながら絵を見れば十分です。子どもが「どうしてこの文字でこの音になるの?」と尋ねたら、文字の学習として別の教材や先生につなげられます。物語の途中で発音と文字の仕組みを全部説明しきろうとしなくても構いません。

まずは、迷っている一語だけ音声を確認してみましょう。カタカナを付けるか迷ったら、「メモで補うところ」と「実際に音を聞くところ」を分ける方が、親子の読み方を決めやすくなります。