親子のためのガイド

英語の絵本の感想が日本語だったら。親の返事と声かけの例

英語の絵本を聞いた子が、「あの鳥、かわいかった」と日本語で話し始める。そんなとき、英語で答えさせた方がよいのか、少し迷うかもしれません。せっかく出てきた感想を、その言語のまま受け取る方法があります。

こだま絵本編集部 · 公開

日本語の感想で構いません。まずは伝えたい内容に返事をしましょう。親が英語で尋ねたあとでも、日本語の答えから同じ場面の話を続けられます。感想全体を英語で言い直させる必要はありません。

絵本の鳥を指して話す子どもと、話に耳を傾ける母親
日本語で出てきたひとことも、お話を一緒に楽しむ入口になります。

返事はまず、話してくれた内容に

英語の物語のあとで「あの子、びっくりしてたね」と言われたら、まずはその場面の話を続けられます。「ほんとだね。目が大きくなってた」と返せば、親子が見ていたものがつながります。最初の返事を「英語で言ってみよう」にすると、伝えたかった感想が途中で別の課題になることがあります。

ブリティッシュ・カウンシルの家庭向けガイドも、共有した英語絵本について子どもが家庭の言語で話すことに触れています。感想が日本語でも、英語の物語を楽しんだ時間は変わりません。

ただし、日本語で何か言っただけで、その物語の英語をすべて理解したと判断することもできません。今は感想を交わす場面として受け止め、理解度を採点する役割まで持たせないようにしましょう。

そのまま続けられる、三つの声かけ例

次は、架空の絵本の場面を使った返事の例です。正解を用意するより、子どもが見たものを親も見ていると伝える返し方を選びます。

  • 「鳥さん、飛べてよかったね」には、「やっと枝から出られたね。ここ、うれしそう」と絵に戻る。
  • 「この箱、開けちゃだめだったのに」には、「開けたら何が出たんだろうね」と、子どもの気になった展開を一緒に眺める。
  • 「あの子、怒ってる」には、「そう見えたんだね。私は困っているようにも見えたよ」と、違う見方を並べる。

「なぜ?」「どこを見てそう思った?」を続けなくても会話はできます。詳しく話したい様子なら待ち、子どもが絵を指しただけなら「ここだね」と返して終えることもできます。話したあと、毎回説明を求められる形にしないのが使いやすい進め方です。

親と違う感想でも、すぐに直す必要はありません。勘違いかどうかが気になれば、該当する絵を一緒に見直し、「ここではこうなっているね」と出来事だけを確かめられます。

親が英語で尋ねたあとでも、内容へ返せる

親が英語で「どこが好きだった?」と尋ねたあと、日本語の答えが返ってくる場合もあります。そんなときは、質問の言語に合わせて言い直してもらう前に、答えの内容を聞けます。「鳥が飛ぶところ」という返事なら、「この場面だね」と同じ絵を開く方法があります。

質問に合わないように聞こえる感想でも、一度話題を確かめましょう。子どもが「箱が大きかった」と言ったら、「この箱が気になったんだね」と指差したところへ目を向ける。好きな場面を選ぶより先に伝えたいことがあったのかもしれません。元の質問に答え直すことを求めず、そちらの話を続けられます。

親が意味を聞き取れなかった場合は、「どの絵のこと?」と一つだけ確かめます。文章で説明できなくても、ページを選ぶ、指す、登場人物の顔をまねるなどで話題をそろえられます。ここで知りたいのは、日本語と英語のどちらを使えたかより、何について話したかったかです。

子どもが思い出している途中なら、親の答えで埋めず少し待ちましょう。言葉がまとまらないままでも、好きな絵が分かれば、その絵を一緒に見る終わり方にできます。

感想を求めない終わり方もある

最後の絵を見たあと、すぐ別の遊びへ向かう日もあれば、しばらく黙って眺める日もあります。同ガイドでは、読み終えたあとに間を置き、質問を重ねすぎないことも勧めています。話す準備ができていない子に、毎回感想を聞かなくても構いません。

代わりに、親が「この場面、私は好きだった」と短く言って本を閉じる、最後の絵を一緒に見たまま待つ、子どもが後から話し始めたらそのときに聞く、といった終え方があります。お風呂や食事のときに思い出した感想も、読後すぐの感想と同じように受け取れます。

「今日は何も言わなかった」を、英語の時間が無駄だったという結論につなげないでください。同時に、静かだったことだけで理解していたとも決めず、本人の言葉が出たときに内容へ戻れるようにしておくと、気負わず続けられます。

言葉が違っても、戻る場所は同じ絵

親子で感想の言語が違うときは、同じ絵を指すと話題をそろえやすくなります。英語の表現を思い出すことより、いま誰のどの出来事を話しているかが分かるようにしましょう。親が「この鳥のこと?」と確かめ、子どもがうなずくだけでも話はつながります。

こだま絵本は、同じオリジナルの物語を日本語と英語で楽しめます。英語版を聞いたあと、日本語版の同じ場面を見て話す使い方もできます。ただし、感想を受け取るたびに日本語版まで読み直す決まりは要りません。見たい場面があるときの選択肢として使えます。